深夜営業の薬局「ニュクス薬局」で繰り広げられる人間ドキュメントが書籍化
小学館集英社プロダクション(東京都千代田区、都築伸一郎代表取締役)は2月18日、「深夜薬局 歌舞伎町26時、いつもの薬剤師がここにいます」を発売した。著書は、福田智弘。本体価格は、1,400円(税抜き)。
この書は、歌舞伎町で深夜のみ営業する薬局「ニュクス薬局」。この薬局で働く薬剤師と、さまざま事情を抱えて訪れる客たちとの濃密な物語をまとめたノンフィクション。
■不夜城に実在する「深夜薬局」
日本最大の歓楽街、新宿・歌舞伎町。このネオン街の一角、ホストクラブひしめくビルの1階に、深夜のみ営業する薬局があります。名前は「ニュクス薬局」。営業時間は20時から翌朝9時。世間とほぼ正反対の時間帯に営業し、混み始めるのは26時ごろから。まさに「深夜食堂」ならぬ「深夜薬局」。
切り盛りするのは、たった一人の薬剤師。休業日以外、いつ行っても同じ薬剤師がカウンター越しに立っている。この地域で働く人たちからは「歌舞伎町の保健室」とも呼ばれ、「薬局」のイメージとまるで異なる身近な存在として親しまれている。いったい、どんな薬局なのか。薬剤師とふだんの営業の様子を徹底取材して見えてくるのは、ふれあいの人間ドキュメント。
■「なんだって聴く」薬剤師とお客さんとの物語
この薬局を訪れるのは、体調を崩した人ばかりではない。
処方箋も持たずに駆け込んでくる人がいる。薬もドリンクも買わず、ただ雑談をして帰っていく人もいる。
「彼氏に捨てられた」「親とうまくいってない」「借金つくっちゃった」「お客さんの子どもを妊娠しちゃった」
あるときには、恋人や家族にも言えないような話をそっと漏らしていくことも。薬剤師は、どんなときでも、それをひたすら「聴く」。
誰かに聴いてほしい。 でも、誰にも言えない。そんな「何か」を抱えたお客さんと薬剤師との、実際に起こった物語を紹介する。
【深夜薬局をめぐる10の物語】
●妻子あるお客さんの子を妊娠したキャバ嬢
●ホストとバーテンダー、気の合うふたり
●「別荘」でのクチコミでやって来た男性
●多重人格を告白するガールズバー店員
●嵐の夜に駆け込んできた女性の傷
●「ミスが多い」と悩む事務員の決断
●AV出演を相談する性風俗店の女性
●彼氏の学費を工面したいと悩む女性
●コロナ禍で落とした命
●獄中からの手紙
■メディアが注目する薬局、ついに書籍で登場!
ニュクス薬局は開局の2014年から現在まで、さまざまなメディアで取り上げられている。朝日新聞では一面での掲載、テレビでは『72時間ドキュメント』(NHK)、『news zero』(日本テレビ)、『月曜から夜ふかし』(日本テレビ)、『羽鳥慎一 モーニングショー』(テレビ朝日)など、ニュース番組からバラエティまで幅広いジャンルで紹介されてきた。
本書では映像だけでは伝えきれない、これまでのエピソードや薬剤師という職業についての考え、コロナ禍の歌舞伎町の実態など、この地域に欠かせない存在となった薬局の、知られざる姿に迫る。
【著者プロフィール】
福田智弘(ふくだ・ともひろ)
1965年埼玉県生まれ。東京都立大学卒。歴史、文学関連を中心に執筆活動を行っている。おもな著書に『ビジネスに使える「文学の言葉」』(ダイヤモンド社)、『世界が驚い たニッポンの芸術 浮世絵の謎』(実業之日本社)、『よくわかる! 江戸時代の暮らし』(辰巳出版)などがある。
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